日本プラダー・ウィリー症候群協会 Prader-Willi Syndrome Association Japan (PWSA Japan)

本人・家族・関連専門職をはじめとするさまざまな支援者とともに、生活の質の向上、社会参加の推進、情報収集・発信、国際的交流・支援などに取り組みます。

 ホーム
 お問い合わせ
 サイトマップ
PWSについてPWSA Japanについて活動内容入会案内会員のページリンク

 

ホーム > PWSについて > 質問コーナー Q&A

質問コーナー Q&A

PWSについてよくあるご質問を掲載します。今後順次追加して行きます。

  • ご質問などはメールメールでご連絡ください。
  • 個人的にお返事する場合、またはこちらのコーナーに掲載させていただく場合があります。
  • ご質問の際には、PWSのお子さん(人)の年齢・性別を必ずお書きください。また遺伝子型(欠失・UPD・その他)がわかる場合もお書きください。

親からの質問(乳幼児編)

Q:停留睾丸、少し下りてきたようなので、また半年後に経過観察ということでした。停留睾丸の手術ってどういうものなのか、入院の日数は?全身麻酔?かかる時間は?…等、教えてください。(1歳)

A:停留睾丸は、今は停留精巣といいます。プラダー・ウィリー症候群の男子には停留精巣が多いですし、そのままにしておいてがんになったケースはないようですが、やはり本来の位置にあったほうがいいでしょう。放っておいて降りるものか手術が必要かどうか、また何歳でしたらいいかは、小児専門の泌尿器科か外科で診察がなされてから決められます。麻酔は、安全のため全身麻酔で行われます。
プラダー・ウィリー症候群の子では、精巣の位置が少し違っていたり、脂肪が多いと見つけにくいこともあるようです。そのためにも、また、本人の負担を考えると、年齢が進んでからでないほうがいいと思われます。ただし、呼吸などが安定していないうちは手術は待ったほうがいいでしょう。

体験談A:2時間ほどの手術で2泊3日でした。(8歳)

体験談B:事前の説明では「年齢が小さいため手術後自宅で過ごすのが心配なので大事をとって10日入院」とのことでした。ですが、経過が順調だったので4泊5日でした。(1歳半)

Q:手帳は何歳くらいから、どういう種類のものがありますか?

A:知的な障害に対しては療育手帳(東京都では愛の手帳)というものがあります。プラダー・ウィリー症候群の場合多くは、中度から軽度です。
取得する時期についてですが、1歳で取得したケースや2歳では無理だった場合もあります。お子さんや自治体によっても違うので問い合わせをしてみることをお勧めします。
その他に歩行が困難な場合や低緊張が重症の場合には身体障害手帳も取得できることもあります。
また、「特別児童扶養手当」が該当する場合もありますので、主治医の先生にご相談してください。

Q:背ばいをするようになりました。このままでいいのでしょうか?(8ヶ月)

A:背ばいというのは低緊張のお子さんにはよくあることです。ですが、ハイハイや歩行につながるものではありません。背ばいをしそうになったら足をひねって体を回転させるなどして、うつぶせ姿勢をさせましょう。
この時期にはできればうつぶせの姿勢や寝返りを、遊びのなかでたくさんさせてあげてください。ハイハイに必要な筋肉を鍛える効果があります。

Q:歩行器は使ってもよいでしょうか?(10ヶ月)

A:歩行器は、歩行が遅れたり転倒などの可能性もありますし、おすすめしません。自分ひとりで乗れない乗り物に乗せることは体に負担がかかっているということになります。自分の力でできることをたくさんして次のステップへ進むほうがバランスのとれた筋力を育てます。
しかし、立つこと歩くことに抵抗する子には、立つことの楽しさをおぼえるために使われることがありますから、その場合はPTの先生とよく相談してみてください。

Q:栄養は、離乳食は多すぎないですか?

A:PWSの方の離乳期の問題は、過食よりも摂食障害や食習慣の確率が十分できないことが多いようです。十分摂食(離乳食を)できない場合経管栄養を行うことで必要な栄養を摂らざるを得ないこともあります。
一方、そのような場合を含めて1歳から2歳頃には過度の摂食の問題は改善し、通常の食事ができることが一般的です。
離乳食に関して言えば、先々の栄養過多を心配することよりもご家族でおいしく食べる時期であり、健康な食習慣を作るときに当たると思っています。

※健康な食習慣とは
 3回食を生活の基盤とすることであり、咀嚼をその子なりに引き出す営みであり、水分補給を白湯や茶で行える基礎工事だと思います。
 離乳期の栄養は体重増加を把握しながらバランスの良い栄養の離乳食を摂っていけば問題は大きくはなく、それよりも一般的な子どもの現状である間食や糖分の含まれる水分の摂取等の方がより大きな問題です。
 これらを理解した上で、それぞれの子どもの状況に対応することが大切です。

Q:乳児で萌歯前の口腔ケアは必要ですか?

A:口腔ケアの必要性に関しては、乳歯萌出前の口腔ケアが何を目的とするかによります。また、口腔ケアが何を意味するかと言うことも重要です。
 その子に口唇口蓋裂があったり、重症の嚥下障害やそれにともなって経管栄養を行っているような子どもさんの場合であれば、必要です。実際にPWSの方で上記口蓋裂がある方や嚥下が進まず経管栄養を中心とせざるをおえない方の場合、生まれて可及的早期からスポンジによる口腔ケアを勧めてきました。しかし、それは虫歯予防の為ではなく、口腔の清潔さの維持と嚥下機能を含めた口腔機能を進める事が目的です。その為のテクニックも重要です。
 しかし、口腔機能が十分備わった人生の出発をされた赤ちゃん(それは原始反射が存在し、舌・顎・口唇等の機能が年齢相応に十分である)で哺乳の問題がない場合は、通常の健康な口腔の状態であれば積極的なスポンジによるケアは必要ではありません。
PWSの口腔の問題であるう蝕(虫歯)に関して言えばこの時期(乳歯萌出前)は、哺乳機能が十分成熟することを第一とします。離乳期に入ってからは、果汁を摂ったりせずに、お茶や白湯を少しずつ経験しながら離乳をしっかり定着させることが大切です。
 乳歯の萌出に個人差はありますが、離乳初期から中期頃には口腔内に萌出してきます。この時期の口腔ケアと言えば歯磨きです。しかし赤ちゃんは通常とてもそれを嫌がります。ですから乳歯が出てきたからすぐに『無理な』歯磨きを始めることは困難ですし、余り勧められません。それよりも離乳を通して簡素な食事の習慣を育てることがより重要です。

Q:PWSの人は唾液量が少ないとわれていますが、人工唾液は必要ですか?

A:口腔乾燥症や特殊な唾液腺の病気の方に、人工唾液が使われています。臨床的に効果があったという報告もありますが、人工唾液は味や性状が必ずしも使いやすいものではありません。特に唾液の流出が顕著に低下する夜間に口腔内に用いることは実際問題としては困難です。
 これに対して、最近では違和感が少ない使いやすい口腔内の保湿剤が手にはいるようになりました。これらは眠前等に塗布あるいは噴霧して使用したりします。これらの方がより勧められます。
 しかし、唾液が少ないことによる問題が何か考えると、う蝕(虫歯)、歯肉炎を初めとする歯周炎(歯肉と歯槽骨の問題)、口臭、口腔内感染症などの問題であると思います。唾液成分は確かにこれらの問題の予防に必要なものです。
 しかし、これらは人工唾液とか保湿剤とかを用いれば解決するかと言えば、決してそうではありません。日頃の口腔の清掃、正しく歯垢を落とすことを励行することが何よりも大切であるのはPWSの方の場合も同じです。

Copyright© Prader-Willi Syndrome Association Japan All rights reserved.