日本プラダー・ウィリー症候群協会 Prader-Willi Syndrome Association Japan (PWSA Japan)

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医師からのメッセージ

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7.カロリーの決めかた

 PWSの人たちが現在の体重を維持するのに必要なカロリー(エネルギー)は、通常、身長1cmあたり1日10kcalといわれていますが、高度の肥満がある場合にはそれ以下でないと体重は減らず、成人でも1日1000〜1200kcalくらいが適当なようです。幼児の1日量は800kcalくらいが上限といわれますが、個人差がありますので、体重の変化を成長曲線でみながら加減していかなければなりません。

PWSの人は、体の構成や代謝が一般の人と同じではありませんから、その人に適した食事量を知るためには、体重の変化とカロリー量をこまめに比較していく必要があります。

 また、PWSの人たちのダイエットの基本は、「過剰なカロリーだけを減らす」ことであって、栄養分が減ったり、かたよったりしないよう気をつけなければなりません。 また、お母さんたちの食事つくりが負担になると長続きしませんから、がんばらず、特別のことをするのでなく、日常の食事作りをしながらポイントだけをおさえることです。そのためにはどうしたらいいか、おたがいに話しあったり、病院や療育センター、または保健所などの(管理)栄養士さんに相談して、コツをおぼえてください。(管理)栄養士さんは、毎日の栄養を考えて献立をつくる専門家なので、「うちの子は何歳で、必要なカロリーはどれだけで、食事の量は減らさないようにして、好き嫌いは…」などの条件を伝えて相談すれば、適切に助言してくださるでしょう。

(参考:「プラダー・ヴィリー症候群の子どものための栄養指導」月刊食生活、2003年11月号)

 PWSの人たちは一般に甘いものが好きなようです。幼い頃は、できるだけ甘味には触れないような配慮が必要でしょう。シロップの入った薬も味をおぼえるきっかけになりますから、薬の種類や量も考えて処方する必要もあります。でも、年齢が上がれば、たまには楽しみも大切です。誕生日やクリスマスなどの特別なときにはケーキを食べてもいいというようなルールを決めたり、ケーキを選ぶときには、クリームが少ないもの、甘味の少ないものを前もって知っておくといいでしょう。ケーキ作りが好きな方は、低カロリでおいしいケーキを作ってあげるといいですね。

 年齢が進んで、かなりの肥満になってしまった人も、もうだめだと諦めることはありません。でも、厳しいダイエットや食事制限は逆効果になります。そのため必要なことは、ご本人が理解しやすいように時間をかけて説明し、納得したうえで一緒にやること、生涯続けていけるような方法を考えていくこと、さらに運動を楽しく続けるくふうをすること、教育や心理の専門家に相談して「認知行動療法」的な対応をすることなどです。食欲抑制剤を加えることで効果が上がることもあります(ただし食欲抑制剤の効果は一時的にすぎません)。

(文責 長谷川知子 … 自身の経験や医学文献、親ごさんたちからの情報、それにPWSA-USAのMedical Alert を参考にしています)

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