日本プラダー・ウィリー症候群協会 Prader-Willi Syndrome Association Japan (PWSA Japan)

本人・家族・関連専門職をはじめとするさまざまな支援者とともに、生活の質の向上、社会参加の推進、情報収集・発信、国際的交流・支援などに取り組みます。


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東京会議開催にあたって(PWSA Japanメンバーのあいさつ)

PWSA Japan東京事務局代表 津浦たか子

 このたびは、みなさん遠いところから来日していただき、ありがとうございました。
昨年のIPWSOによるニュージーランドの会議には11歳の息子と一緒に参加させていただき、会議の内容もさることながら、子どもたちが楽しく過ごせるプログラムの用意やおいしいランチや夕食などその準備の素晴らしさに感動して帰国しました。そこではPWSの人の生活をより良くするために、多くの専門家の方や多くの国の方が集まっているという力と希望を感じることができました。

 私たち夫婦は息子が生後1ヶ月でPWSと判明したとき、その特徴が低緊張と過食・肥満と説明されたので、「食事制限が少なくてすむようにできるだけ運動をさせ、筋肉を増やそう」という考えで育てることにしました。そうしたらうまくいき、とてもスポーツ好きになりました。現在はサッカー、スイミング、バスケットボール、スキー、クライミング、ウィンドサーフィン、登山などを楽しんでいます。3年前から成長ホルモン(GH)を投与していますが、ますます筋肉質になり、体脂肪が28%から8%に減り、かけっこも早くなって、紅白リレーの選手にもなりました。

 このように、小さい頃から彼らに合ったかかわり方をすることや、医療との連携をとることは重要であると思い、私たちは東京で長谷川知子先生と一緒に支援者の勉強会を開催したり、小さい頃からの親のかかわり方を勉強するために、小学生以下のお子さんの親を対象にしたワークショップを開催したりしてきました。

 そのような中、この夏のイギリスとスウェーデン視察をきっかけに、新潟の方たちと一緒にPWSA Japanを作っていくことになりました。これからもPWSの人たちや家族のより良い未来を信じて、日本国内だけでなく世界の人たちとも協力して前向きな活動をしていきたいと思っております。まだまだスタートしたばかりですが、どうぞ、みなさまご支援のほどよろしくお願いいたします。

PWSA Japan・IPWSO専門職委員 長谷川知子医師

 皆さま、このたびは、PWSA Japan最初の国際交流、東京会議に、遠くからいらしてくださりありがとうございます。
 今回、来日されたのは、IPWSO会長のパム アイゼンさん、IPWSOの台湾からの専門職委員でアジア担当の役員、それに小児科臨床遺伝医のシュアン・ペイ リン先生、そしてPWSA USAエグゼクティブ・ディレクターのジャナリー ハイネマンさんのお三方で、私たちが、今までの国際PWS会議で親しくなった方々です。

 今回は、アジアにおけるPWSの人々と家族を支援するために中国とタイに行かれる途上、ぜひ日本にも立ち寄って交流したいと言われたことから実現に至ったのですが、急に決まったため、ぎりぎりになるまで計画が立ちませんでした。それにもかかわらず、こんなに大勢の方がいらしてくださり、本当に感激しております。また、この交流にあたり、ご多忙な中、準備に尽力くださった方々に心から御礼申し上げます。

 今日は朝、新宿のホテルを出発され、新幹線にちょっと乗られて、横浜にある同愛会のグループホームや作業所、てらん広場を視察され、PWSの方や職員の方々と交流されて、さきほど新宿に戻ってきました。お客様もきっとお疲れと思いますが、ぜひとも日本の仲間に伝えたいことがあるからと、疲れも見せずに張り切っておられます。どんなお話が伺えるでしょう、とても楽しみです。

 日本だけでなく、広い世界に仲間が大勢いることを知ることは、とても心強くなります。これからは、国際交流もいっそう深めていきたいと思っていますので、皆さま、どうかよろしくお願いいたします。

PWSA Japan会長代行・事務局長 庄司英子

 今年6月にPWSA Japanを設立しました。夏には、厚生労働省から助成金と支援を受け、イギリス、スウェーデンの視察研修に参加しました。視察研修では、PWS専門のグループホーム、共生型のグループホーム、高齢者のナーシングホーム、重度知的障害者のグループホームを見学しました。9月には、この報告を兼ねたセミナーを新潟で開催しています。

 視察研修では、日本でも取り入れたいと思う多くのことがありました。いろいろな国のスタッフによる入所者の支援、看護は素晴らしく、日本ではまだ難しい食事や日常活動のマネージメントがきちんとされており、体重減少の維持がなされ良い笑顔がありました。医療だけに頼らない対応と工夫、努力がなされた生活を見ることができました。

 ストックホルムでは栄養面について視察。体重減少や糖尿病の軽減、ゆとりある生活を垣間見ることができました。ゆとりある生活のマネージメントから逃げ出した人はいません。きちんと話し合いをして、きちんと納得しているのです。日本では専門のグループホームはないので、参考にしたいと思います。

 新潟市では5年前から毎年PWSに関する医療講演会やセミナーを開催しています。毎年の講演会活動が実を結び、新潟県や市、医療、福祉、療育、教育に周知され、理解を得ることができました。しかし、日本ではまだPWSが周知されていないため、30歳を過ぎても診断のつかない人がいます。PWSA Japanが、他地域の親の会と協力し、専門家などの多くの方から支援を受けていることは心強いです。

 そして、PWSという病気を親自身が正しく理解し、そのうえ社会の多くの方たちにPWSを理解していただくための方策を知るのに、IPWSOの情報はたいへん大切なものになるでしょう。

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